自分は冷え性だという自覚のある女性は多いようだ。最近では、冷え性だという男性の声も耳にする。そして、その症状は冬だけのものではなく、冷房を使う夏の時期にも現れる。気温が高いのに体が冷えていると感じたら、それはもう冷え性。
冷え症は自律神経のバランスがくずれたり、血行が悪くなるなどの原因で、年齢を重ねるごとに症状が悪化する傾向にある。ところがある実態調査によると、50代についで20代の若い世代に、重度の冷え性である「冷えのぼせ」を感じている人が多かったというのだ。
「冷えのぼせ」というのは、頭部が熱くなり、末端との温度差が大きくなり、その結果、冷えとのぼせが混在した状態のことをいう。こうなると体温を一定に保つために交感神経と副交感神経は通常より頻繁にはたらかなければならず、その結果、自律神経自体がどんどんバランスをくずしていく。
自律神経のバランスの乱れから、イライラする、寝付きが悪い、汗や顔のほてりがひどい、といったようにさまざまな症状を引き起こし、血行不良型の生理痛の悪化や、ニキビ・吹き出物、肩こり・腰痛、便秘や下痢などの胃腸の不調など、その他の症状も現れる。水分代謝異常型のむくみやめまい、頭痛を引き起こすことも。そして冷えは代謝の低下ももたらし、太りやすい体質にもなっていく。
なぜ、20代に「冷えのぼせ」を感じている人が多いのか・・・
生まれたときからエアコンを使う環境で生活をしてきたことに加え、運動不足や体を冷やしやすい食生活、ファッションなどの生活習慣が背景にあるのではないか、と言われている。自律神経のバランスのくずれは、どうやらこうした若い世代にも起こっているようだ。
困った症状が現れ負のスパイラルに陥ると、それに連動して様々な症状が追加され、それが当たり前のように繰り返される日々がやってくる。その状態が日常的になってくると、体はそこでバランスを取ろうと働くので、正常な状態に戻すことがどんどん難しくなってしまう。
今は「何となく冷え性かも」「我慢できる程度だし」と思っていても、放っておくのは危険。体からのサインを放置せず、必要な栄養をしっかり摂取し、自律神経のバランスを整えるためのケアをしていくことが大切だ。