チャクラと脳の関係

脳の種類脳の分類対応する部位対応するチャクラ
爬虫類脳脳幹視床下部(室傍核)第1チャクラ
哺乳類脳大脳辺縁系扁桃体第2チャクラ
側坐核第3チャクラ
帯状回第4チャクラ
霊長類脳大脳新皮質側頭葉・後頭葉第5チャクラ
前頭葉(前頭前野)第6チャクラ
頭頂葉(方向定位連合野)第7チャクラ

視床下部室傍核(ししょうかぶしつぼうかく)

視床下部

視床下部は脳幹の中でも最も大脳に近い部分である間脳に分類され、大脳の一番内側に位置します。
視床下部は自律神経のコントロールセンターで、大脳皮質や大脳辺縁系に存在する各種センサーが受け取った身体内部および外界からの刺激や情報に応じて、自律神経を通じて身体中の臓器や器官に指令を出しています。また、体内のホルモンをコントロールしている脳下垂体に指令を出しているのも、この視床下部です。
このことからも分かる通り、視床下部は生命維持に欠かせない基本的な欲求や感情を産み出す「生命の脳」とも言うべき大変重要な器官なのです。

視床下部の中でも室傍核という部位は、生命維持にとって最も重要な「恐怖」を感じる神経核で、ストレスを感じると活性化し、ストレスホルモンを放出。迫り来る「危険」を避け生命維持を最優先にするように全身に指令を出します。この「恐怖」体験はしっかり記憶され、次に似たような状況に見舞われた時に生き延びることができるように備えています。

第1チャクラに滞りや詰まりがあるとは、この「恐怖記憶」が室傍核にいっぱい溜まっていて、常に存在の危機を感じている状態の事を指すのです。

扁桃体(へんとうたい)

扁桃体

扁桃体は大脳辺縁系の下部に位置し、五感(味覚、嗅覚、触覚、聴覚、視覚)を通じて脳に入った情報に対する情動反応を司っています。
例えて言うと、

  • カレーが好き。ピーマン嫌い。
  • ラベンダーの香りが好き。化粧品の臭いは苦手。
  • モフモフしたものが好き。ザラザラしたものは不快。
  • クラシックが好き、ハードロックは嫌い。
  • 紫が好き。暗闇怖い。

などなど。

誰かの事を好きになる。蛇や毛虫を見ると逃げ出す。高いところが怖い。
これら全てが扁桃体の働きによるものなのです。

感覚器を通じて入ってきた情報を受け取った扁桃体は、過去の記憶と照らし合わせて、「これは自分にとって不快なものか?自分を怖がらせ危険に晒すものか?」をチェックします。このチェックに引っかかった、つまり対象が「脅威」だと認識された場合、扁桃体は直ちに警報を発令。脳の各部に緊急事態を知らせるとともに、「闘争か逃走」するために必要なホルモン(=ノルアドレナリン)の分泌を命じます。これは、大脳新皮質が事態を完全に把握するよりも早く働きます。そうでなければ、危機を回避出来ずに死んでしまうからです。

この仕組みは、生物が生き延びるために獲得した「緊急回避システム」と言えます。
このシステムが正しい場面で正しく働けば、瞬間的に命の危機から脱出出来ますが、これが誤作動を起こした場合、脳は情動に支配され、とんでもない行動をしてしまう結果を招いてしまいます。

第2チャクラが乱れていたりブロックがあるということは、この扁桃体の機能に異常があったり、参照する不快記憶が溜まっている状態のことを指しているのです。

側坐核(そくざかく)

側坐核

側坐核は大脳辺縁系前部に位置し、意欲を司っています。
簡単に言うと「やる気スイッチ」。
欲求が満たされた時、あるいは満たされる事が分かった時に活性化する「報酬系」と言われる脳内の神経回路に深く関わっています。これは別名「ドーパミン神経系」と呼ばれています。

何か自分にとって重要なこと(それが良いことだろうが悪いことだろうが)が起きそうだと認識すると、側坐核が活性化しドーパミンを放出します。ドーパミンは行動を促す神経伝達物質。快楽と結びつけば、その快楽を得ようとしますし、不快と結びつけば、その不快を避けようとします。

第3チャクラが不活性な状態とは、側坐核からドーパミンが出ない状態。
逆に、第3チャクラが過剰な状態とは、慢性的に側坐核からドーパミンが放出されて、ドーパミンが枯渇し、そのドーパミンに依存している状態を指しているのです。

帯状回(たいじょうかい)

帯状回

帯状回は大脳辺縁系上部に位置し、共感や同情といった機能を司り、表情を認識したり推察したりする役割を持っています。別名「社会脳」と言われ、人間をして心ある存在足らしめています。

社会的協調性であったり、人に対する気遣い・思い遣りといったものは、すべてこの「社会脳」である帯状回の働きがあったればこそ。帯状回になんらかの障害、例えば血行不良やセロトニン不足などがあった場合、「相手の気持ちがわからない」「空気が読めない」といった状態になったりします。最新の機能的MRI研究では自閉症やアスペルガー症候群を発症している方の帯状回に構造上の異常が見つかっているとのこと。

第4チャクラの機能不全とは、帯状回の血行不良、あるいはセロトニンドーパミンといった神経伝達物質の異常を指しているのです。

側頭葉(そくとうよう)・後頭葉(こうとうよう)

側頭葉

側頭葉は大脳新皮質側面に位置し、言語機能や記憶を司っています。
後頭葉は大脳新皮質後部に位置し、視覚機能やイメージを司っています。

大脳のこれらの部位は、コミュニケーションとイメージ時に活性化します。

第5チャクラの機能不全とは、側頭葉・後頭葉の血行不良、または神経伝達物質の異常を指しています。

前頭前野(ぜんとうぜんや)

前頭前野

前頭前野は大脳新皮質前部に位置し、思考や理性を司っています。ここは言わば人間の脳の司令塔ともいうべき存在で、人間の脳のおよそ三分の一を占めています。猿から人間に進化したのは、この前頭前野が前側にせりだすことで発達したからだと言われています。

前頭前野の働きは多岐にわたっており、非常に高次の脳機能がここに集約しています。意欲を司るドーパミン神経系、危機管理を司るノルアドレナリン系、そして社会性や共感を司るセロトニン神経系は、前頭前野においてコントロールされています。感情制御という重要な役割も果たしており、前頭前野の機能が低下すると、情動の暴走(いわゆるキレる状態)を抑えることが出来なくなります。

第6チャクラの機能不全とは、前頭前野の発達不良、機能不全を意味します。それは前頭前野における血行不良や、ドーパミンノルアドレナリンセロトニンといった脳内の神経伝達物質の異常を指しています。

方向定位連合野(ほうこうていいれんごうや)

方向定位連合野

方向定位連合野は大脳新皮質上部に位置し、体の空間認識を司っています。自分がどこに居るのかを認識し、体の境界、自分と外界との違いを認識しています。つまり、自己と非自己を認識しているのがこの方向定位連合野なのです。

瞑想時にはこの方向定位連合野がある特別な動きを示します。五感の感覚入力が停止すると、方向定位連合野の活動も低下。すると、上下左右の感覚が薄らぎ、次第に肉体の感覚も消えていきます。自分と外界との区別も曖昧になり、自分と全てが一体となった感覚に支配されていくのです。

これは、瞑想によって日常の交感神経優位モードから副交感神経優位モードに切り替わったあと、再び交感神経も活性化し始めることによって起きる「変性意識」、フロー、ゾーン、無心、無我の境地、涅槃(ニルヴァーナ)と言われる状態です。

第7チャクラを開くとは、方向定位連合野における「変性意識」を強めることを意味し、それは脳内の神経伝達物質の絶妙なバランスを保つことを指すのです。