ミトコンドリアとは
ミトコンドリアとは、私たちの身体を構成する細胞の中にある細胞小器官と呼ばれるものの一つです。ミトコンドリアは一つの細胞に数十〜数千個存在するとされています。ミトコンドリアは私たち人間が生きていくために必要なエネルギーを産出しています。より多くのエネルギーを消費する器官の細胞ほど多くのミトコンドリアが存在し、脳細胞には極めて多くのミトコンドリアが内包されています。
ミトコンドリアは細胞の発電所
ミトコンドリアは私たちが生きていくために必要なほぼ全てのエネルギーであるATP(アデノシン3リン酸)を産み出しています。
経細胞内のミトコンドリアがこのATPを産出するために必要なものが「酸素」です。
脳細胞は大量のエネルギーを必要とする
脳は体重の2%に過ぎませんが、体内で作られたエネルギーの18%をも消費します。身体の中で最もエネルギーを使っているのが脳なのです。そのエネルギーを作り出しているのが、脳細胞内のミトコンドリア。ミトコンドリアに十分な量の酸素が供給されないと、脳細胞を動かすためのエネルギーを産生出来なくなってしまいます。ですから、脳細胞がいつまでも若々しく活性を保つためには、酸素は欠かせないのです。
ミトコンドリア活性の重要性
脳細胞のミトコンドリアの状態はその人の思考や感情、自分の表現などで常に変化しており、ストレス等でバランスが崩れた状態が長く続くと、その数が減ったり質が悪くなってしまいます。脳細胞内のミトコンドリアの活性が落ちると、脳全体の機能が低下し自律神経やホルモンバランス、免疫システムなどに影響が及び、その結果として様々な病気や老化の原因ともなるのです。
ですので、脳細胞の質のよいミトコンドリアを増やししっかりと機能させていく事で、健康で活き活きとした暮らしを送ることが出来るのです。
ミトコンドリアの機能の減少は老化と疾病の一因
脳細胞内のミトコンドリアの量は加齢とともに減少します。
また、ミトコンドリアには機能の質の善し悪しがあり、加齢とともにミトコンドリアの質が低下してしまいます。
ミトコンドリアの数が減り、その質が落ちてくると、脳内で産生されるエネルギーが不足してきます。減少したエネルギーは生命維持活動に最優先で廻されるので、その他の機能、細胞再生や免疫機能、学習・記憶などの各生体システムに十分にエネルギーが行き届かなくなってしまいます。
これが認知能力や運動機能、記憶力、判断力等の低下を招き、免疫力も低下して体全体的な老化や疾病へと繋がってしまうのです。
ミトコンドリアの数を増やし質を上げるには
ミトコンドリアが最も喜ぶもの。それが酸素です。ですから、質の高いミトコンドリアの数を増やすには、いかに多くの酸素をミトコンドリアに届けるか、にかかっているわけです。
普段何気なく行っている呼吸ですが、実はほとんどの方の呼吸はとても浅く、普段無意識にしている呼吸は肺の用量の4分の1から5分の1しか使っていないそうです。つまり、肺の4分の3から5分の4はまるで使われていないということ。死なない程度、生きるために必要最小限の呼吸しか行っていない、というのが現状なのです。何もしなければ、質の高いミトコンドリアを増やすどころか、どんどんミトコンドリアを不活性にし、老化と疾病を自ら招いていることになっているのは言うまでもありません。
呼吸筋を鍛えてミトコンドリアを活性化
では、脳内の質のよいミトコンドリアを増やすには、どうすればいいのでしょうか。それは、脳細胞に多くの新鮮な酸素を送り込むことです。
ミトコンドリアは酸素を使ってエネルギーを作り出します。ですから、いかに多くの酸素をミトコンドリアに届けるか、が鍵となってくるのです。その鍵が「呼吸筋」なのです。